生まれる時代を間違えた?ー未来のデザインが受けなかった車たちー
AI崩壊という映画をDVDで観た。
そこに登場したのが、あまりにも2030年という時代設定にマッチしていたので、未来的フォルム過ぎて残念ながら販売終了となってしまった車でした。
今回は、そんなテーマで。
1.いすずビークロス
AI 崩壊では、賀来賢人が主人公大沢たかおを手助けするために駆けつけた車で、作中では無残にも崖から自動運転で転落する際に登場しました。
2030年に時代設定にも耐えられる未来的フォルムのこの車は、1993年の東京モーターショーでお目見えし、1997年に販売されました。兎に角斬新なフォルムと、当時としては考えられない3ドアのスポーツフォルムのSUV として非常に注目を集めました。
月面探査船の様なフォルムのこの車は、1997年–1998年のカーオブザイヤー特別賞やグッドデザイン賞を受けるなどデザインの評価は高かったものの、いすずの乗用車生産からの撤退などの影響もあり、国内市場では登録1,700台に終わりました。
海外での人気は高く、北米やロシアなどで高い評価を得たそうです。
天才タマゴというキャッチフレーズで大人気を博したのが初代エスティマでした。
まだ、ミニバンというジャンルが確立していなかった1990年に産声を上げました。
エンジンを75度傾ける事によって、フロントミッドシップを実現したというメカニカルな部分も話題になりましたし、大人数の車が乗れる車にデザイン性(それも未来的なタマゴ型フォルム)も相まってセールス面でも大きな成果を上げました。
その後、2代目、3代目が販売されましたが、デザインの面では際立った進化は見られず、2019年に販売を終了しました。
3.AZ1
ガルウイングと言えば、西部警察の特別仕様車というイメージしかなかった私には、AZ1が市販車標準仕様としてこの車をデビューさせたのは衝撃的でした。
しかも、軽自動車もミッドシップスポーツという斬新過ぎるコンセプトはバブルのなせる技だったのかも知れません。
居住性無視、軽自動車規格という制約の大きい中、バブル崩壊直後という事もありセースルが伸びず短命に終わりましたが、今というより未来に走っていてもおかしくない車だと思います。
エンジンは、スズキのアルトワークスのエンジンの供給を受けていたという点もなかなかソソリます。
個性的なスタイルをまとったマルチパーパスカーは、全長4m程度ながら全幅が1875mmと幅広く、そのワイドボディを生かした3人がけ2列シートにより、大人6人がストレスなく移動できる空間が確保されていた。(引用:fiat magazine CIAO)
これは、イタリア車でしか実現出来ないフォルムだなーと感じていました。
Aピラーの根元についている上の方の目?はハイビーム用ヘッドランプだそうです。2008年には英デイリー・テレグラフ紙が企画した「史上最も醜い車100選」で、ポンティアック・アズテックに次ぐ2位に選ばれたとの記載がWikipediaに記載されています。
この車も、いすずのビークロス同様にAI崩壊に登場しています。
如何でしたでしょうか?未来的なデザインというと以前こちらで取り上げた、セラやアルシオーネSVXなどもかなり攻めたデザインでした。他には三菱iやまんまチョロQみたいなトヨiQなども時代を先取りし過ぎた車だったと思います。